リノベーション工事 工事進捗 長岡市耐震改修工事
耐震シェルター設置工事 完工しました
2025/07/29
このたび ご縁を頂き、弊社として初の耐震シェルター工事を完工致しました。
■物件概要・ストーリー
場所は長岡市内の川東地区。
JR長岡駅からもほど近い旧市街地。
築52年。
ご夫婦おふたり暮らし。
季節の節目にはお孫さんも遊びにいらっしゃる。
そんな中、2024年の1月1日 能登半島地震。
ご家族、ご親戚さま集まっているところで大きな揺れに見舞われました。
物件は利便性の良い立地ではあるものの、建物の劣化が顕著であり、建物全体の耐震性能を向上するには一定の費用が掛かる事。また建物は4方向を隣家に囲われており、施工難易度も高い。
「命だけは守れるように」と、
建物全体の耐震補強工事よりも少ない工事費用で済む、耐震シェルター工事をご希望されました。
ご依頼されたのは、新潟市で中古住宅の性能向上リノベーションを手掛ける「まごころ本舗」さま。
物件が長岡市という事もあり、私たちとは以前から交流があり、同じく性能向上リノベを得意とする弊社と協業する形となりました。
■実際の工事
まず、耐震シェルター本体を設置する部屋の床の強度を向上させます。
目的は、①頑丈なシェルターの垂直荷重に耐えること ②設置する床面が、地震の横揺れに耐えうる強度とすること です。

この既存8帖間の床を解体撤去。

剛床工法と呼ばれる強度の高い床を新規で作っていきます。
桧の大引き材で格子を組み、さらに防腐防蟻剤も散布。
せっかくの丈夫な床が白蟻の食害に遭ってしまわぬように。

大引き間に断熱材を充填。

その上に、厚さ24mmの構造用合板を張ることで剛床構造となります。
仕上に複合フローリングを張って、下準備完了。

ここから耐震シェルター本体を組み立てていきます。
シェルターの製品名は「剛健」。
認定を取得し、各市町村の助成金制度対象にもなっている製品です。
今回も長岡市の補助金を使用しているため、市役所の職員さんが施工途中を確認に来られました。
※長岡市の補助事業として耐震シェルター工事は、この物件が初施工とのことで、興味深く見ていらっしゃいました。

6帖間に、6帖タイプという大きさの製品を設置します。
完成後の内部空間の広さを確保するため、周辺のスペースは最小限。
壁の釘打ち時の大工さんの状況。

そして天井裏。
高さ26cmという苦しい空間で、屈強な大工さんが暑い中奮闘してくれました!


シェルター本体は、主に木材で構成されていますが、
屋根面最上部には、頑丈な鋼製梁が並びます。
これがまた重い!
この重さ≒強度となり、守ってくれます。

完成後の状況。
メイン空間との境界は、「バリアフリー出入口」となり、段差は最小限となっています。

シェルターの4方向に開口が確保されているため、他製品に比べ避難経路が確保され易いことも、この剛健の特徴。各出入口の両脇は構造用合板の耐力壁となっています。
施工途中、釘ピッチが荒い箇所がありましたが、監督がチェックし問題なく是正。人間の行う作業ですから、多少のミスはあります。チェックする体制が最も大切。
猛暑と狭小施工範囲での作業をしてくれた大工さんに大感謝です!
耐震シェルター。
初施工となりましたが、今回の様に、「状況(人・場所・費用)としてこの選択が最良」となる場合はあるであろうと実感しました。
建物全体を補強するのか、
部分補強(シェルター含む)とするのか、
きちんとご相談していければと思います。