体感温度
室温20℃で湿度50%。
冬場にこのくらいの室内環境を作ったとして、温かく感じる人と肌寒く感じる人がいると思います。
寒がり、暑がりというのもあるのかも知れませんが、人が感じる温度、つまり体感温度を決める要素は室温や湿度だけではないのです。
人の体感温度は近くにあるものの温度の影響を受け、暖かいものの近くにいると暖かく感じます。
逆に冷たいものの近くにいると寒く感じます。
今立っている位置の温度湿度が同じであっても近くにあるものの温度が変わると暖かく感じたり、寒く感じたりするようです。
この原理から、家の中にいる時の体感温度と密接に関係しているのが家の「躯体の温度」です。
「躯体の温度」とは家の壁や窓、床、天井など、外に接している部分の温度です。
家の中をどんなに高性能なエアコンで暖めても、躯体自体の温度が低くなってしまう家では体感温度として暖かく感じられないということです。
これを考えると、とにかく高性能な家電を導入して無理矢理暖める家では、躯体性能が低く、体感温度としてなかなか暖かさを感じにくいということになります。
また同じように体感温度に関係のある事としてよく聞くのは「足元が冷える」という現象です。この原理は単純で、暖かい空気は上に行き、冷たい空気は下に下がってくる性質があるためです。
なぜこのようなことが起こるのか。
一つは暖めた空気がすぐに冷たくなってしまう「熱損失が大きい家」であることが挙げられます。熱損失が大きいと暖めた空気がすぐに冷やされてしまい、常に冷たい空気が部屋の中に存在している状態になります。
そうすると冷たい空気と暖かい空気の間で対流が起こり、温かい空気は上に、冷たい空気は下に移動し、頭のあたりは暖かくてぼーっとするが、足元は冷たいという状態になります。
「熱損失が大きい」以外にも「気密が悪い」場合も起こる現象です。住み継ぐ家では「日射取得」と「熱損失」を計算し、そのベストマッチを考えて家を設計します。
そしてもう一つ、性能の悪い窓を使ってしまうと「コールドドラフト」と呼ばれる現象が起こります。
これも結局同じことなのですが、窓付近で冷やされた空気がそのまま下に下がり、足元に冷たい空気として流れ込んでくる現象です。
トリプルガラスの樹脂サッシであればある程度抑えられますが、床下暖房を採用している場合は床下で暖められた空気を窓の下から部屋に送るようにするとさらに効果が高まります。
当社モデルハウス「上新田の家」では床下エアコンの空気が窓の下に設けたガラリ(スリット)から上がってくるようになっているので、真冬でもこの「コールドドラフト」現象を感じたことはありません。
どちらにしても部屋の中に「温度のムラ」ができてしまうと、このように対流が起こります。
高性能家電でいくら温めても、その分冷やされ空気があれば「温度のムラ」は大きくなるばかり。
悪循環です。
「温度のムラ」をなくすただ一つの方法は家の断熱性能、気密性能を高めることです。
性能の低い家を高性能家電で暖めるのと、性能の高い家を小さなエアコンで暖めるのはその快適性に大きな差が出てきます。
是非一度、当社モデルハウスで体験してみて下さい。