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築60年 高性能リノベ住宅 冬のサーモ測定と検証 2024

2024/01/29

新潟に寒い季節がやってきました。
暖冬とは言うものの、雪も降れば気温も下がります。
だからこそ 断熱の効果を実感できるのです。
性能向上リノベーションを行った築60年中古住宅(我が家)の温熱状況をご報告します。

■調査のポイントは ふたつ
そもそも関東などと異なり「晴れ」が少ない新潟の冬。
検証したいのは以下のふたつの状況。

①晴れた日、日射を室内に取り込んだときの室内環境
 Point「高断熱住宅での冬に日射を取り入れる設計の大切さ」がわかります。


②雪の日の朝。どの程度の室内環境か
 Point「きちんと断熱した家は、エアコン1台の熱量だけでどれだけ暖かいの?」ということがわかります。

新潟と東京 日照時間比較 出展:新潟地方気象台



【建物基本性能 & 共通内容】


・暖房状況は、いずれも1階のエアコン1台のみ
・吹抜は無し、1Fと2Fの空間を繋ぐのは階段部分のみ。
・延床面積:約28坪
 短手4.5m×長手10.8m の ほぼ総二階形状
・方位は真南から40度振れています。
・Ua値:0.26 w/㎡・K
・ηAC値:1.3
・C値:0.8 (中間・完了共)
・暖房負荷:17.2 kWh/㎡(Qpex)
・サッシ APW430(トリプルガラス樹脂サッシ)
 玄関ドア ガデリウス 高断熱木製ドア
 その他仕様は コチラ


この地域の方なら、本当に気になる結果は②かもしれませんね。
新潟の冬の空は基本的にグレーですから。。汗

それでは調査結果を診ていきましょう!
(生活感がにじみ出る写真となりますのでご了承くださいませ)


■①1/14(日)AM10:00 天気:晴れ

朝陽の昇る南東側の外壁温度がわかり易く上がっています。
2階のサッシ(黄緑色)よりも外壁(赤~白)の温度が高い。
南東側と南西側の温度差は歴然。

玄関ポーチ。
こちらでは玄関ドアと四角いサッシ(APW430)の隅が赤~黄色を示し、
室内の熱が若干逃げていることがわかります。
外壁部分は青色。≒熱は逃げていません。

外気温はおおよそ6℃

玄関ホール。床の温度は22℃。天井の温度は24℃程度。
エアコン設定は22℃ で 自動風量。

陽射しの届かない洗面脱衣室の床は21℃程。

最も温度の下がるサッシ下端で18℃。

浴室の床は20.8℃
ヒートショックとは無縁ですね。

階段から2階を見上げると、南東側のサッシから陽射し(熱)が入っている事がわかります。

南東側サッシから31℃程度の熱量が入っています。
温度が低く見える床などの紺色部分も、22℃は確保されている。

ダイニングテーブルのある南西側の窓。
ガラス面は20℃程、サッシ枠で18℃程度。
※庭木が落葉後は、農業用の寒冷紗を使用してやんわり視線の遮蔽をしています。

2階の端にある子ども室。
南東側のサッシは、見事な暖房器具状態。

室内温度計を撮り損ねましたが、
概ねの室温推移は、
日が差し込み出した8時ごろで、約22℃
10時頃には24℃、
11時頃には25℃超え。
エアコンの設定温度を22℃→20℃くらいまで設定を下げて調節します。
=日射が入ると暖房エネルギーが少なく済むという状態がコレです。


■②1/26(金)AM7:00 天気:雪

南西側面。
玄関ポーチが赤く、周囲と温度が違う様子。

南東側 2階のサッシ。
トリプルガラス樹脂サッシですが、じんわりと熱が漏れている。
半面、外壁や軒裏などは表面温度が均一で熱漏れなし。

玄関ポーチ内。
やはり開口部のみから、じんわりと。
LED照明は短時間では目立った発熱には至らない様子。

外気温計は2.2℃を示しています。

玄関ホール。
陽射しが無いので、朝でも照明が必要です。

床は22℃弱。天井は24℃程度。
表面温度は陽射しがあるときとほとんど変わりませんね。
暖房エアコンのある寝室建具が25~26℃で放熱中。
来客時以外は建具を開放しています。

エアコン設定は24℃で風量は5段階中の3


玄関と土間でつながる書斎。
モルタル仕上げの表面温度は21℃程。
エアコンからの距離は約10m。
もちろん床暖なんてありません。

書斎の温湿度計は、
21.7℃、相対湿度46%を示しています。
相対湿度が40%を下回った事はまだありません。
全熱交換24時間換気のおかげですね。

朝のリビングダイニング。
前日に我が子(2才児)が目一杯遊んだ状態をキープ。
モザイクなしで失礼します。

床、壁、天井 概ね20℃程をキープ。
サッシ表面は16℃程。

リビングの温湿度計。
温度は20.6℃
相対湿度は47%
暖房エアコンが可動している1階と、約1℃の温度差。
WHOが推奨する冬季の室温 18℃以上をクリア。

ダイニングに面する大窓。
最も冷えているのはガラス際で11.4℃

温度と湿度を四捨五入して、21℃、50%としたときの 露点温度(結露する温度)は10.2℃
露点温度には至らずセーフです。
これがガラスがトリプルではなかったなら、もしかしたら結露していたかもしれません。
結露はカビの原因になり、健康被害に繋がります。
この結果を考慮すれば、新潟で健康的に暮らすための窓は 「樹脂フレーム+トリプルガラス」以上の性能がマストなのかもしれません。
今年は素晴らしい補助金もありますし。



冬の朝。
我が家の場合、ここから朝食の準備などでIHやトースターを使用していくと発生する熱で約1℃くらい室温が上昇。後は気分で、
2階の暖房補助エアコンを1~2時間運転し、21℃の室温を23~24℃まで上げる事もあります。


■断熱がきちんできたなら

サーモカメラで、「なんとなく断熱って良いんだよね」が可視化できたと思います。

「断熱がきちんとしてあれば、灯油ストーブも床暖房も必要ありません」

「断熱がきちんと出来ていれば、家中寒くないんです」

「断熱がきちんと出来ていれば、暖房器具と暖房費は最小限で済みます」

冬は「家が寒い事」が当たり前だと思っている皆様。
断熱をきちんと行うと、今までの当たり前は180度 変わります。

今度は光熱費レビューもしたいと思います。